have fun1

マティーニ・カクテル

商用で行く土地にホテルがあり、一階の奥まったところにバーがある。

スピリッツやリキュールのボトルが並べられていなければ、カウンターカフェのような、こじんまりした作りで、30代半ばの女性バーテンダーがいつも、手持ち無沙汰にグラスを拭いている。


3度目くらいからだったか、寝る前の一杯を楽しむようになり、その都度二・三会話をするようになっていた。
今夜も寝酒を求めに降りていくと、珍しく二組のカップルが先客としてショートドリンクを楽しんでいる。

カウンターの端と端に陣取り、真ん中が空いているようになっていたが、そこにマティーニカクテルが一つ置かれていた。

そのグラスを避けるように腰をおろし
「先客?」
と指差した。
「そうよ」
バーテンダーが微笑んだ。
「じゃあ 彼女と同じもの」
「あらっ、どうして彼女なの?」
意味ありげに微笑み返しを試みた。



間もなくバーはクローズの時間、バーテンダーはラストオーダーを求めた。
二組のカップルはそれを断り席を離れていった。

バーテンダーはカウンターの中をさっさとかたずけ、グリーンのエプロンをはずし、入り口の小さなスタンドの明かりをおとした。


隣に座り、小さなため息をついた。

二杯目のマティーニを持ち上げ、彼女に
「ハッピーバースデー」
「あらっ覚えていたの?」
そして、彼女は続けて
「お誕生日おめでとう」
と言った。

「さっきまで忘れていたよ。マティーニを見るまではね。君の誕生日も自分の誕生日も」
「じゃ、私の魔法は効いたわけだ」
彼女が微笑んだ。



気のせいか、いつもよりちょっとだけ近い。


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