have fun49

          


王冠



「ねえ ビール」

「結構飲んでいらっしゃいますが・・・」

「承知!でも 飲みたいのよ」

「かしこまりました」

「ああ ねえ自分で開けさせて」

「かまいませんが・・・」
バーテンダーは栓抜きを渡した


彼女は王冠を曲げないように慎重に王冠を外した
 
「はい!」

「・・・」

「小さいころね お父さんのそばに座ってさあ この王冠をもらうのがスキだった
の」

「そうでしたか」

「今日は 私からあなたにあげるわ 王冠」

「これはこれは」

「いつも冷静で優しげだけど ちっとも振り向いてくれない王子様にね」

「わたし・・・ からかっちゃいけません でも 照れますね」

バーテンダーは 慌てたようにズボンのポケットに滑り込ませた」

「へえ ~ 捨てないんだ」

「はい 頂く方によります 」

「上手いこと言っちゃって」
 



「んで ご命日なんですか」

「・・・・うん 」

「そうでしたか」
バーテンダーはカウンターにビールを一本置いた

ゆっくり慎重に栓を抜いた
バーテンダーはクラスに注ぎ、一口飲んだ


その光景を不思議そうに眺めていた彼女に

「あげよう」
そう言って王冠を渡した

そして一気に喉をならして飲んだ

「ありがと 元気だったころ やっぱりそんなふうに飲んだのよ 父ったら不思議
そうに観ている、私の手を喉仏に触らせてくれたことがあったわ」

一粒だけ涙がこぼれた
 
「じゃ いつかね」

「うん 待ってる」


          


約束ね


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