have fun61 ブルー・ラグーン・カクテル

          
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ブルー・ラグーン・カクテル


出勤してきた魅惑担当のバーテンダー

バックバーのシェードを上げながらため息を一つ
今日は親友の結婚式だった
前日にいいだけ盛り上がったので、今日は2次会のスタンバイ
親しい友人達に声をかけて、ここで2次会をやる予定なのだ
 
ちょっと気になる夢を見たのだ
親友が自分に抱きつきわんわんと大泣きするのだ
それがちょっとひっかかっている
 
 
やがて2次会が始まった
魅惑担当のバーテンダーは彼女の親友ということで、スピーチのご指名だ

かなり神妙な顔つきは2分ともたず、彼女との武勇伝やら彼女が思い出したくもないだろう些細なエピソードに、ほんのちょっとだけお飾りをつけてまくしたてた
彼女の悲鳴と参加者の大爆笑が渦を巻く
 
ふと新郎の顔色が変わった

それに気が付いたのは、彼女こと新婦と魅惑の彼女

新郎は司会役の友人に

『ごめん ちょっと駐車場まで すぐ戻る』
そう言って外に出た



魅惑バーテンダーは、参加者が不思議に思わぬよう、さらに脚色を付けたしながら、ひきつけトークをくりだした

そして 最後に親友の末永き幸せを願い ちくしょーー で締めた


勿論、ちくしょうー も含めて笑いと拍手がそれを包んだ

スピーチが交代する



魅惑バーテンダーは、胸に手の平をあて
『私気にしておくから』
『お願いね』
新婦がわずかに首をすくめて、すがった
 
 
魅惑の彼女が体をドアのほうに向けようとした時、新郎が帰ってきた

走ってきたのか息が上がっている

手にはドンキホーテの黄色い買い物袋
中に何やら入っているようだ

新郎はそれを出しだ

めがねケースか鞄にしのばせるペンケースのような筒
そこから一枚の紙を出した

そして携帯をかけた
新婦の携帯がなったらしい

でも、出る前に切れたようだ
新郎は彼女に近づいて紙を渡した

魅惑担当のバーテンダーも覗き込んだ

「かなり前に 釣った そのまま忘れていたんだ おまえだったなんて 不思議だ 今の今だって まだ信じきれない」
新郎はこのめぐり合わせに、感激しやや興奮気味だ
 
彼女は、新郎とメッセージの書かれた紙とバーテンだを見比べるうちに、堰を切ったように涙があふれ魅惑の彼女に抱きつき大声で泣き始めた
周りの友人達もこのあたりになると、3人のやり取りに釘付けになっている

 
『はっ これだったのか』


魅惑のバーテンダーは安堵しながら、彼女だけに聞こえるように

「ばか 抱きつく相手を間違えちゃだめよ よかったわね」

顔を上げた友人の体の向きを変えて押し出してやった
 
彼女はボロボロになった涙顔に『ありがとう』の微笑を一瞬載せたあと新郎に抱きついた

バーテンダーは新郎に小声で尋ね、メッセージの書かれた紙を預かった
それをトレーに載せ参加者に披露して歩いた

『私は2010年までに、あなたのお嫁さんになります 宜しくお願いします     まり』
住所も電話番号も書いてあるが微妙に読み取りにくく滲んでいる
 
「素敵ねぇ 私もやってみようかしら」

「おれ 釣りやめる」

「んもう 夢がないわねえ」

「オイラもやってみたい!人魚姫を  ゲッチュー!」

「おおおよ きっとお似合いだぜ ジュゴン」
そんな冗談が飛び交っている

 
進行役の友人が声をかけた

「みなさん 改めて乾杯します グラスをもってくださーい  いいですか」
この声でみんなおのおのの場所に戻ってグラスを持った
 
「え~ それでは瑞田大空君とまり夫人の末永い幸せと 丈夫な釣り糸に乾杯!」
唱和の声と笑い声が入り混じった
 
 
 
 
その頃天井では、かのバー・・・ではなく、紫色の蜘蛛が危うく床に落ちそうになり、今、自分の糸をたくし上げて落ち着いたところだ 


珍しく壷にはまったようだ




『みづたまりじゃん』


『あっ いいのかこれで・・・・ 水溜りはいつも大空をいっぱいにに受け止めるもの』



             
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