have fun59 路地

           
地球を読む 川柳的発想のススメ/田口麦彦【後払いOK】【2500円以上送料無料】


路地



路地を入っていった
中ほどに一本の光のスジがゴールラインのように地面を照らしている
通りに面した両端では行きかう人を気にもせず、若いグループ達が尽きないミーティングを続け、時折、奇声があがったりした
 
そんな喧騒を避けるように、この路地は成り立っていた
向かい合わせに全部で4軒の店がある
ただ、同時に開かれていることはない
 
何故かと言うと
いやよそう
自分で確かめてみた方がいい
 
ドアを開け中に入るとそこに羽扉があり、その向こうがカウンターだ
一番奥に客が一人座って、離れたところで古老のバーテンダーが何かをメモっている

「いらっしゃいませ」

バーテンダーが席を案内した
9席あるうちの中央から一つ奥にずれた席だ
先客に軽く頭を下げて席に就いた
その客はグラスをそっとあげて応えてよこした
 
 
「いらっしゃいませ 何度かご利用いただいている気がするのですが」

冷たいお絞りが白いバラをあしらった形で出された

「うん 違う曜日にね」

古老のバーテンダーが微笑んだ

「そうでございましたか」
 
「この曜日に座らせてもらったのは初めてなんだ 何かバックを飲みたい」

「かしこまりました そうですね ラムでお作りしてよろしいでしょうか」

「たのみます その間にお代わりの相手をハントしておきます」

バックバーに目をやっている私に、ナッツの入った小皿をだし、凍ったグラスを取り出した
 
 
それがこのBARに座った最初のやり取りだった




バーテンダーは閑さえあれば何かしらメモっている

「業務日誌ですか」

と聞いたら、笑いながら

「ある意味そうかもしれなせん」

バーテンダーが離れた時、たぶん常連なのだろう

「川柳を書いてるらしいですよ」
そう教えてくれた




 
そして今
自分がそれをやっている
先代は川柳だったが、私はショートストーリーだ
古老と呼ばれてもイラッとこない歳になった
 
 
明日は焼き鳥屋の灯かりが地面を照らす
カクテルの翌日は「ぼんじり」というルールは先代から引き継いだのだ


             
筆書体を使用した一味違ったミニふでのぼりミニふでのぼり 炭火焼鳥(焼-89)幟 ノボリ 旗 10×30cm【RCP】 02P01Nov14


コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

いち乃そら

Author:いち乃そら
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
カテゴリ別記事一覧
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる