have fun 56 ハディントンハウス

             
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ハディントンハウス945円にナンパをかける


早朝の明け方
まだサラリーマンが髪の毛をボサボサにしている時間
 
雨が降り出した
それはすぐに大粒になり、天と地をつなぎ合わせた
タクシー待ちの屋根から流れ落ちる雨水は、そのスペースをビニールハウスの内と外のように分けた
今そこに一つの塊が飛び込んだ





 
たまたま深夜の仕事があり、明け方終わった
代休をもらい、久々にゆっくり休めるはずだった

車に乗って間もなく雨が降り出した

『これで少し涼しくなるのか』

そう思ううちに、雨はソウメンになりウドンになった

運転しているのが危うくなり、駅のロータリーに車を止めた
危うくロータリーから出てくる一台の車に擦りそうになりながら

『 ぶないなあ~ こんな時にダッシュしなくても・・・』

車の天井を突き破るのではないかと思うくらいの音だ
雨というより小石が降っているような錯覚をしてしまいそうだ
 
『ん~・・・・・・・・・ まっ いいか』

一台も止まっていないタクシー乗り場に車をつけた

「やあ すごい雨だね コーヒー入れてあげるけど 乗らない?」
心臓がバクバクした


つい2,3日前、
BARの隣にいた見知らぬ客が話していたナンパのトークを、工夫もなくそのまま使った

「ねえ コーヒー入れてあげるけど・・・・乗る?」

「・・・・・・・・・」
ちょっと罪悪感を感じたとき

「じゃあ お願いします」
小さな声で反応があった

『やっ やりゃあできるじゃん オレ』

そう思ってドアを開けた

「すんごい 降りだよね いきなりだもん あれっ 結構歩いたの?」

「ほんの少しだったんですけど ・・・・」 

「そだよね この降りじゃ 車から降りて2、3歩あるいただけでずぶ濡れだよね」

「見てらしたんですか」
声に不快感が漂った

「何を?」

「いえ なんでも」
また声が産毛になった

「この雨だから 走るのはかえって危ないんだけど どこか近くに入っていいかな」

「はい」
 
いつもネオンだけを見る建物の中に車を入れた



彼女は黙って付いてきた

「ねえ とりあえすシャワー浴びて着てるものなんとかしようよ そのままじゃヤバイよ」

「ええ それじゃ」
部屋に入って立ちすくんだままだったが、提案を受け入れた
 
彼女がシャワーに入って間もなく携帯が短く鳴った
ちょっと迷った


でも、悪魔が
俺のオレ:『見たいんだろ 見ればいいじゃん 今更ボクは紳士ですなんて言うつもりじゃねえよな』



手を伸ばした
 
あわてて携帯を置き、冷蔵庫のミネラルウォターをポットに入れ電源を入れた
カップを二つだし、危なっかしくもドリップタイプのパッグをセットした
 
携帯を開いた
メールだ

ドキドキしながら開いた

『すまない どうかしていた 後悔している ごめん この後どうなっても文句は言えないが、きちんと謝りたい チャンスをくれるなら連絡が欲しい 今日はどこへでも何時でも きっと行く 喧嘩してみないと解らなかった自分が恥ずかしい 好きだ 』
携帯を閉じた


俺のオレ:『ざあ~んねぇ~んでしたぁ 時すでに遅しぃ~  がはははは 気にする事ないさ』

俺のオレが足を組んでタバコをふかした
 
立ちあがった
薄手のカーテンをそっとはぐり、バスケットに入っている彼女の服と下着を持ちだした
その時、ちょっとだけ動作が止まった


俺のオレ:『そうっす! グッドアイディアですな ぐはははは 下着なんざ必要ねえっす 』

「Gパンでなくて助かった」

俺のオレ:『はっ? 助かったあ? 何が?』

Tシャツ、スカート、下着
ドライヤーを持って来た
 
俺のオレ:『別に乾かさんでも もう点数稼ぎするこたあないぜ ここまできてよぉ』


かなり濡れている
ベッドの掛け布団からカバーを外した
それでTシャツとスカートをノリ巻き丈に巻いた
一度戻して、対角線上にもう一度巻きなおした
今度はそれをねじり、しばらく力を入れて握っていた

俺のオレ:『なにやってるの? お前』

ハンガーにかけた
Tシャツにドライヤーを掛けた
かなり強力なドライヤーの風は、額の汗を誘った
 
 
バスルームのドアが開いた

「いや! やめて」

バスローブを着た彼女が叫んで、下着の掛っているハンガーに近寄ろうとした

「いいから!」

『しまった』
と思ったが強い口調で言い放った

彼女は立ちすくみ、泣きだした

「そこに座んな」
身を固くして座った彼女の横を通り、コーヒーバッグにお湯を注いだ

「いくつ?」

「えっ?」

「シャワーの前とは比べ物にならないくらいお譲ちゃんのようだが・・・」

『お譲ちゃん』の言葉が可笑しいらしく、こわばったままの顔が笑った

「どう見ても30半ば過ぎだろうと思っていたんだが・・・」

「今年30・・」

「本当は?」

「34・・・・」

「ばーか 素直すぎ 30で通したまえ 通用するぜ十分」

「えへ」

「笑っている余裕はねえんじゃなねえか?」
彼女は我に返って、コクンとうなずいた

「飲みな」
カップをガラステーブルに置いた

「砂糖も何も入れてないぜ」
そう言いながら、またドライヤーの風をを今度はスカートに当てた

「よくこんな ちっこいTシャツを着るよな お腹でるだろ」

「はい 少し」

「おデブちゃんなら 張り倒したいところだが スタイルは悪くないな」
カップを持つ手が止まった

「ふん 飲めよ 泣いた分」

「えっ」

「シャワーのあいだじゅう え~んえ~ん泣いてたじゃんか」

彼女の顔が崩れた 


「家は? 近いのか?」

「駅からタクシーで20分くらい」

「念のためだ 駅前のネットカフェで凌いでいたことにしろ!」

「・・・・?」

「よし なんとか着れるな  パンツはもっと布の多いやつにしろ と言いたいが今回は許す 乾きが早い」

あらかた飲み終えたカップをもぎ取り

「飲め せっかく入れたんだから」
もう一つカップを渡した

ベッドに上がり彼女の背後に回った
彼女が身を固くした


「こぼれるって!まだ熱いぜ  熱かったら言え」
そう言ってドライヤーで髪を乾かした

「なぜ?」

「ん?」

「なぜ・・」

「ああ すまんな 俺さ変態でさ 携帯見ちまったんだ シャワー使ってる時 見てみな」

彼女はカップを置いて、携帯を開いた
そして泣いた

「なっ ギリ セーフだろ よぉ~し いいだろ 服を着な」

「えっ?」

「るっせえな 早く服着て 『すぐ来て』ぐらい打てよ」

「でも」

「あっそ 食ってもいいの? 遠慮はしないけど」
彼女は今までになく身を固めた

「ざけんなよ 今なんて言ったか思い出せ 服を着ろ! メールを返せ!だぜ さあ早く」
彼女は頷いて、メールを打った

「5分でリターンがなければ帰さない  そのくらいの覚悟はしたまえ さあ服を着て! 出るぜ」

彼女の携帯が鳴った
二人で見た

『どこにいる?』

「今 どこ と聞け  それによっちゃ送る場所を変えなきゃならん」
彼女は泣きながら頷いて

『今どこ? 来てくれるの? お願急がないで 途中何かあったら今度は私が後悔するから』
すぐにリターンはあった

『高速の手前のマックにいるよ 15分くらいででさっきの場所まで戻れるところだ』

「お利口な彼氏だ  どころで奴は幾つ?」

「30・・・・・」

「えっ お前彼氏にサバ読んでないだろうな?」

「うん ちゃんと知ってる」

「なら 許す よし駅近くのネットカフェにいて これからさっきの場所に戻るから と打てや」
 
 
  
車を出した
雨は少しだけ弱まっていたが、激しい降りが、強い降りになった程度だった
途中コンビニに寄ってビニール傘を買った



俺のオレ:『ほー お優しいこって なんの因果でてめえが濡れてんだか おめでたいねえ』

駅前のロータリーを一周した

「まだ来てないな」

「うん」

「じゃ 降りて」

「ありがとう・・・」

「泣くな そうだ オレの携帯番号とメアドを打ちこんどいた 今度泣く事があったら 連絡しな 但し、フォローは期待してもダメだぜ」
彼女は傘を広げ降りた

「ほら さっさと行けよ 見つかるぜ」
車を出した



メールだ
彼女だった

『5分過ぎてたのに ありがとう それとコーヒー二人分ありがと』

『ふん こっちの時計が遅れていただけさ それに入れてやるとは言ったが一緒に飲もうとは言ってなかったぜ 』
 
二つ目の信号で、見覚えのある車とすれ違った
『もうすぐ着くぜ うまくやんな お譲ちゃん  あっ ちゃんと消しとけよ じゃ』
 
俺のオレ:『まあ 素敵なオジサマだこと けっ 度胸なし!』

『オレは 女から声がかからないと燃えないタチなのさ』





ドンキに車を入れた
酒のコーナーでブレンテッドを一本握った
ハディントンハウス945円



『今日はこの娘とラブラブさ』 



               
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