have fun77



3/1 0時よりポイント5倍!アイル・オブ・ジュラ 24年 1989 ピーティッド カスクストレングス (シグナトリー) 56.9度 700ml【05P01Mar15】


    農家の嫁はジュラが好き

空が多い
陽射しがきつい

「どうした?疲れたか?向こうの端まで頑張れ そしたら木陰で一服だ」
一畝100mmほどのジャガイモ畑の草取り
自分は5列を同時に、彼女が1列をこなしてくるのを待ちながら進む
 
「ほらっ」

ビニール袋に入れてあった板ずりのキュウリを一本あずけてやった

「ん? おいしぃ~」
「そりゃそうだ 朝一番にとって塩もみしたやつだ」
「味濃いっすねぇ でも・・・農家って大変だなあ」
「そだぞ この大変が 楽しいって思えなきゃ勤まらんのだ」
「へぇ~ 楽しいんだ?」


「いや」
二人して笑った


「でも収穫の喜びを知ってるから我慢できるのさ」

キュウリから小気味良い音を引きずり出しながら

「これじゃ農家の嫁さんは大変だ 畑やって家事やって あれやってこれやってなんだろうなあ」

「正解! それに都会のお譲ちゃんが海水浴に行って日焼けするのとはわけが違う 首にタオル巻いても長袖着ても軍手はいても焼けちゃうんだなあ 顔なんか男も女も区別付かないくらい真っ黒になる」

「やだ そんなの」
「ははは 天然の なんだあれ そっガングロだ」
「きゃははは はやんねぇ」

「まあ実際のところさ 腹くくって農家やる気になった奴らには嫁さん来て欲しいが・・・・難しいのよ なかなか」

「ふ~ん」

食べかけのキュウリを半分に折って差し出すと、ニッコリ笑って受け取った

「おっちゃんは?嫁さんいないの?夕べお世話になった時、嫁さんがいるような雰囲気なくて、襲われるかもと思った」

「おいおい」
「おっちゃんさ 寝顔結構罪のない顔っちゅうの?だったよ」

「ぐははは まいったね 久々でしかも突然泊めてくれって すっかりドキドキして飲み過ぎたんだ」

「すんませんでした」

「鶴の恩返しかと思ったりもしたが・・・オレ 生で鶴見た事なかった」
「・・・・・」


「昔はいたんだ」
「?嫁?」
「ああ オレ 脱サラUターン農家でさ その時彼女も引っ張って来たんだ」
「よく来たね 農家の娘?」

「いやサラリーマンの娘 今思うと可哀想な事したなあと思うんだが、その頃はオレもいろいろ夢見てたから・・・ついつられて来ちゃったんだろうよ 3年くらいしてな ある晩オレの前にきちんと座ってさ」

「うん」
「ごめんなさい もうダメです  って」
「そっか」

「その頃から農家もだんだん難しくなり始めてきてな オレは説得する言葉を見つけられなかったんだ 幸い子供がいなかったから 別れる事にしたのさ」

「へぇ~ それっきり?」

「いや たまに電話で話すよ 戻りたくなったか?とか農家を辞める気になったか?とかな そのくらいは仲良しだ」

「ふ~ん で 今は独身か」
「まあな というか しっかりそうだ」
 
「私どう?」
「ん?」
「私を農家の嫁にしてくれない?」

「は? ムリムリ専業主婦じゃすまされないし、村の付き合いとか・・・マックもなければコンビニもないんだぜ ここ」

「うん 知ってる」
「若いのを紹介するのは簡単だが・・・・」
「いやいや そでなくて」

彼女は笑った

「おっさんの嫁にしてくれないかっちゅうの」
「おいおい もう一つオマケの おいっ」
「だめか 趣味じゃないか」

「そでなくて というか まず年が違いすぎるべ それにさっきから言ってるけど 農家の嫁って大変なんだ もう可哀想な事はしたくない」

「可哀想にならなきゃいいんだろ?」

「わはははは まいったねどうも いいとも もし来るならこい! ただし、嫁見習いで3年以上勤まれば本妻にしてやる ぐははははは」


ちょっと 真顔になった

「お譲ちゃん一日くらいじゃ本当の大変さも喜びもわかりゃしないんだよ 都会で普通にやりな 悪い事は言わん  ほれっ駅まで送ってってやる時間だ  本当に何が気に入ったんだか変わった娘っ子だな おまえ」



「でへ」
「でへ じゃないべ  ほら 砂払って、長靴は脱いで帰れよ」
 
 
駅までの車中彼女は一言も話さなかったので、
遠い一遍の世間話しをした気分になっていた 

バイト代だと言ってムリクリ切符を買ってやった

改札の向こうで、ニコニコしながら

「見習いでなら嫁にしてくれるんだな おっちゃん約束だかんね」
「わはははは まだ言うか いいとも農家のおっちゃんウソつかない」
「わがった ありがとね じゃ」


単線のホームに滑り込んできたディーゼルに消えていった
レールの響きが完全に聞こえなくなるまで駅舎にいた
 
「ちっ 仕事がまるまるできなかった まっいいか 」

その日は早々に畑から戻り、洗濯物を干し
いつものように一杯飲みながら寝てしまった
日が経つにつれ、彼女の事は思い出さなければならないレベルになっていった
 
 
いつものように畑仕事を終え、帰りつくと何やら得体のしれない音楽が灯りの付いた家から聞こえていた

あわてて中に入ると、テーブルの上には食事ができていた

「おっちゃん でなかった あなたおかえりなさい  でへへへへへへ」

彼女がいた
 
「おいおい話すけどね」
そう前置きして彼女は話し始めた


彼女は天涯孤独な事
これまで出版社に勤めていた事
こないだの旅は、フリーのライターになるかどうかの自問自答の旅だった事
それとちょっと複雑なのだが・・・・
ぼんやりと覚えている彼女の父親とオレがかなり似ているらしい事
 
「ねえ」
「はい」
突然の事に切り返す技を探しきれない

「いないと思ってこれまで通り仕事してくれますか? そのかわり家の事は私がします 勿論自分の食いぶちは自分で稼ぎます とりあえず1年くらいは仕事がありそうなの それとお部屋を2つ貸してくれないかしら」

「それは かまわないが・・・・・ なんだかずいぶんとかしこまった言いぶりじゃん」

「私これでもライターで、会社では、よその人ともちゃんと東京風にお話しできるのよ」
彼女は笑った

「じゃあ とりあえず宜しくお願いします  あしたPCやらFAXがつきます 一部屋は編集の部屋に使わせてもらいます」

「あっ あああ どぞ」
変てこな生活が始まった


彼女は約束したように家事やお付き合いをきちんとこなした 
村の婦人部でも重宝に使われているようだ
彼女もまんざらではない
それと
ごはんが美味しい
驚いた
 
 
 


 
それは15年たった今も変わらない
ライターの仕事は農業だったり自然だったり田舎暮らしについてだったり
細く長く続いている
 
嫁として?
うらやんでもいいぜ ぐははははは 
そだ 変わったことがもう一つあった
彼女・・・いや 嫁が来て以来、それまで焼酎たったのが洋酒にかわった
彼女はジュラというウイスキーがお気に入りで、いつのまにか ん?意図的にか?オレもそれに慣らされてしまったようだ


              
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