have fun81

              
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  レッドバイキング


電車を降り、改札を抜けて帰りの時刻を確かめた。
これは習慣になっているだけのことで、実はすべて携帯に写しこんである。
 
細長い袋を持ち、中くらいのリュックとクーラーボックスをしょっている。
グリーンを基調にしたトレッキングシューズにジーパン、深緑にいくつかのラインの入った少し厚手のワークシャツ、つばの大きいキャップ。
 
駅から車で20分のところにお気に入りの場所がある。
4月~9月までの間、おおよそ2ヶ月に一度くらいのペースで訪れている。
 
駅前にタクシーの姿はなかった。
コンビニに入り、スポーツ紙を2部、雑誌を1冊、それとブロックアイスを買い込んだ。

「釣れるといいですね」
「ああ、入りきらなかったらどうしよう」
いつもの会話だ。

コンビニを出るとちょうどタクシーが一台戻ってきた。

「潮通りに出て、右に走ってくれ。海沿いをそのまま行って、この時期だと木蓮がい
い感じに咲いているところで降ろしてくれればいい」
「秘密の場所ですね」
「?前にも乗せてもらったっけ?」
「今日で3回目です」
「そっか、じゃあ秘密の場所まで頼む」
 
ガードレールをまたぎ、下っていく。
セイダカアワザチソウのジャングルだ。

リュックから白い粉の入った袋をだして角をちぎり取った。
食塩だ。
下りに一袋、上りに一袋、少しずつ撒いていく。
よく見ないとその差はわからない程度だが繰り返すうちにそこだけ草の伸びが悪くなる。
 
 
いつもの岩場に到着した。
海面から3m程の高さの場所だ。
竿を出し、リールを接続し仕掛けを取り付けた。
疑似餌なのは手を汚さないためだ。
助走を十分にとり、思い切り遠くまで飛ばす。
適当な位置まで下がりスタンドに立てかけた。
 
この岩場には大きな流木が打ち上げられている。
それは少なくとも2年間はここから海を眺めている。

以前に訪れたとき、サバイバルナイフで一部を平らにしてテーブルを作った。


いつもの窪みにスポーツ紙を2部、雑誌を見開きで重ねた。
そこにリュックから取り出した牛革のシートを敷いた。
このシートは皮細工アーティストの友人にパッチワークよろしく端材をつなぎ合わせ
て作ってもらった。
実にシックリと馴染む。
 
竿があり、窪みがあり、背を預けてもびくともしない流木がある。
そして体を少しひねり右手をのばすとテーブルがある。
もし雨が降り出しても大丈夫なように、ポンチョがリュックに入っている。
あくまでも自分の意思で帰ろうと思わない限り、ここにいる。
 
 
リュックからタオルにくるんだ、瓶を2本とゴブレットを出しテーブルに置いた。
コンビにで買い込んだブロックアイスは、まだ無愛想に冷たい。

アルコールを満たして一口すすり、岩場を降りた。

しゃがみこんで見ているうちに目が慣れてくる。
そこには大振りのトコブシがいくつもあった。

サバイバルナイフではがし取り、ナイフの柄で殻を割った。
3個を海水で洗い、マイテーブルに置いた。
ナイフで大雑把に切る。
 
すべてが整った。




これから数時間、グラスと瓶と氷、それにトコブジ・・・
それ以外に触る予定はない。
反応することもない竿を見てニヤリとした。
帰る時間は、太陽か船舶用のパイロットブイの明るさで読み取ればいい。
改めて流木に背を預けた。
グラスを口に運び、海を眺め風を聞いた。
 
 
 
4杯目のグラスを手にしたとき、急に竿がしなった。

ラインが出て行く。

疑似餌とはいえハリはついている。
但し、反しはあらかじめ削ってあるので、魚がかかったとしても、すぐに外れるようにしてあるのだ。


だが、ラインはどんどん出るばかりだ。
『巻くのがしんどくなる・・・』
リールを巻き始めた。
魚特有の反応はない。
『流木か・・・』
とりあえず引き寄せた。
 
やがて白っぽく細長いものが見えてきた。
どうやら流木ではないようだ。

それは軽くアルミ製の細長い円筒形だった。
携帯用のメガネケースかバックに忍ばせるペンケースにも似ていた。
それが紐で幾重にか縛られている。
 
キャップにあたる部分をひっぱったり、回してみても動かない。

ふと思いついてライターであぶってみた。
やがて、しずくがたれ、岩場で白く固まった。
蝋で封印されていたらしい。
蝋はキャップの部分いっぱいに入っていたので、その重みから海面ではなく海中を漂
うことになったのだろう。
 
中にはロール状になった白いビニールが入っていた。
広げてみると文字が読み取れた。
 
 
『ふざけてる・・・・』
確かに日本ではあるがとんでもない遠くの住所が書かれている。
名前と電話番号まで・・・
そして最後には、たぶんこれを海に任せただろう日付が・・・・
 
メッセージを戻しキャップをした。
もう一度封印しようとしたが思うようにいかない。
さすがに蝋の持ち合わせはなかった。



『今度きた時にリリースしよう』
クーラーボックスに放り込んだ。



             
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